★ 25℃はどこ行った!!今日はちょっと肌寒い・・・ [NAZARETH]
NAZARETH
(1) Sunshine (1974)
(2) Love Hurts (1975)
(3) Hair Of The Dog (1975)
(4) Star (1978)
(5) Where Are You Now (1983)
LOVE HURTS / ナザレス
(http://youngrock.webcrow.jp/song/nazareth.html )
60年代にスコットランドで結成され、'71年にデビューを飾ったバンド、 NAZARETH (ナザレス)。
良い意味で 「これぞB級!」 と言いたくなるような、マニア心をくすぐる楽曲の妙と泥臭さを誇ったグループだ。
ただ、日本ではB級バンド扱いだが、世界的にはなかなかメジャーな存在であり、デビュー以来一度も解散せず、21世紀に入った今日でも現役で活動している驚異の長寿グループでもある。
30年以上にわたって活動を続けてきたコトだけでも、単純に賞賛されて然るべきだろう。
音楽的には、もともとR&Bの要素も入り混じったロックを得意としたバンドで、現代の視点で聴けば所謂「ロックン・ロール」的な楽曲が多いが、米国のノー天気なそれではなく、欧州らしい土埃と湿気が充満したロック音楽だ。
ヘヴィでグルーヴ感あふれるギターと、特徴的なダミ声シンガーの存在から、70年代は「ハードロック・バンド」として括られていたが、今の時代に聴く分にはそれほどハードな作風ではないので、構えずに現代のブリット・ポップを聴く程度の心構えで接して頂ければイイのではないかと思う。
で、今回ご紹介するのは彼らの代表曲のひとつ、 「Love Hurts」。
落ち着いた雰囲気のバラードで、彼ららしい楽曲とは言い難いが、間違いなく「名曲」ではある。
この曲は NAZARETH のオリジナル・ソングではなく、カバー曲だ。
原曲は、60年代後半から70年代初頭にかけて活躍したカントリー系の兄弟デュオ THE EVERLY BROTHERS (エヴァリー・ブラザーズ) だったと思うが、今日までに様々なアーティストにカバーされ、もはやスタンダード・ナンバーと呼んでも過言ではない作品である。
ただ、原曲がいかにもカントリー・フォークな作風であるのに対し、 NAZARETH 版はロック・バラード的な雰囲気にアレンジされていて、現代の若い方には聴きやすいはずだ。
テンポもオリジナルよりスローで、原曲とは微妙に違う種類の哀愁が漂ってる。
特別なにかを演っている訳ではない。
鳥肌の立つようなイントロがある訳でもなし、聴き手の度肝を抜くような斬新なアレンジがある訳でもない。
しかしこの NAZARETH 版 「Love Hurts」 には、シンプルさとは紙一重の雄大さがある。
ゆったりとしたリズムに彩られた哀愁漂うメロディもある。
オールディーズにも通じる、いつどの状況下で聴いても良いと感じる「普遍性」が、この曲の最も秀でた魅力だろう。
そしてここに NAZARETH の最大の特徴 ダン・マッカファーティー(vo) のダミ声が加わる。
個性が強いので好き嫌いは分かれるだろうが、やはりこのボーカルがないと NAZARETH にはならない。
GUNS 'N' ROSES の アクセル・ローズ(vo) が影響を受けたと公言する ダン・マッカファーティー(vo) だが、わざわざ公言されなくとも、すぐに彼の影響下にあると判るほどに アクセル・ローズ(vo) のボーカル・スタイルは ダン・マッカファーティー(vo) と酷似している。
「Love Hurts」 では、その「影響」はイマイチ判りづらいかもしれないが、他の曲では顕著に表れているので興味のある方は聴いてみて欲しい。
冒頭でも触れたように、 NAZARETH はいかにも「B級」なグループだった。
ファンの方は気を悪くされるかもしれないが、楽曲の質にしてもインパクトにしてもサウンドにしても、例えば DEEP PURPLE や LED ZEPPELIN あたりとは明らかに差があった。
一言でいえば、「洗練されていない」のである。
ところが、そのB級臭さを好む人は意外に多い。
A級グループの完成された作品や演奏技術よりも、薄い膜に覆われたようなこもったサウンドと危なっかしい曲進行などに、妙に惹かれてしまうのだろう。
「良し悪し」ではなく、「好き」になってしまうのである。
NAZARETH は多数の若者が惚れ惚れするようなバンドではなかったし、すなわち多くのフォロワーを産んだバンドでもなかったが、どこか無視できない異彩を放っていた。
土の匂いが香り立つようなリズム・ギターの音色、オリジナリティに富んだ ダン・マッカファーティー の声と歌唱法、そして聴き込めば聴き込むほど味の出てくる楽曲──。
NAZARETH は、紛うことなき英国ロックの典型的なB級グループだった。
無視するには、妙な魅力がありすぎた。
「Love Hurts」 は今でも時折、無性に聴きたくなる。
決して「完璧」といえる完成度ではないし、ロック史に残る作品でもないが、聴くたびに奇妙な安堵感を与えてくれる。
四半世紀以上前のイギリスで、魑魅魍魎の如くうごめいていたB級バンド達の残した楽曲の数々。
その氷山の一角である 「Love Hurts」 が、いまだ遠い異国の人間の心をいまだ捉えて放さないのである。
ここに70年代の英国の底の深さを想う。
これだからブリティッシュ・ロックはやめられない。
(http://youngrock.webcrow.jp/song/nazareth.html )
60年代にスコットランドで結成され、'71年にデビューを飾ったバンド、 NAZARETH (ナザレス)。
良い意味で 「これぞB級!」 と言いたくなるような、マニア心をくすぐる楽曲の妙と泥臭さを誇ったグループだ。
ただ、日本ではB級バンド扱いだが、世界的にはなかなかメジャーな存在であり、デビュー以来一度も解散せず、21世紀に入った今日でも現役で活動している驚異の長寿グループでもある。
30年以上にわたって活動を続けてきたコトだけでも、単純に賞賛されて然るべきだろう。
音楽的には、もともとR&Bの要素も入り混じったロックを得意としたバンドで、現代の視点で聴けば所謂「ロックン・ロール」的な楽曲が多いが、米国のノー天気なそれではなく、欧州らしい土埃と湿気が充満したロック音楽だ。
ヘヴィでグルーヴ感あふれるギターと、特徴的なダミ声シンガーの存在から、70年代は「ハードロック・バンド」として括られていたが、今の時代に聴く分にはそれほどハードな作風ではないので、構えずに現代のブリット・ポップを聴く程度の心構えで接して頂ければイイのではないかと思う。
で、今回ご紹介するのは彼らの代表曲のひとつ、 「Love Hurts」。
落ち着いた雰囲気のバラードで、彼ららしい楽曲とは言い難いが、間違いなく「名曲」ではある。
この曲は NAZARETH のオリジナル・ソングではなく、カバー曲だ。
原曲は、60年代後半から70年代初頭にかけて活躍したカントリー系の兄弟デュオ THE EVERLY BROTHERS (エヴァリー・ブラザーズ) だったと思うが、今日までに様々なアーティストにカバーされ、もはやスタンダード・ナンバーと呼んでも過言ではない作品である。
ただ、原曲がいかにもカントリー・フォークな作風であるのに対し、 NAZARETH 版はロック・バラード的な雰囲気にアレンジされていて、現代の若い方には聴きやすいはずだ。
テンポもオリジナルよりスローで、原曲とは微妙に違う種類の哀愁が漂ってる。
特別なにかを演っている訳ではない。
鳥肌の立つようなイントロがある訳でもなし、聴き手の度肝を抜くような斬新なアレンジがある訳でもない。
しかしこの NAZARETH 版 「Love Hurts」 には、シンプルさとは紙一重の雄大さがある。
ゆったりとしたリズムに彩られた哀愁漂うメロディもある。
オールディーズにも通じる、いつどの状況下で聴いても良いと感じる「普遍性」が、この曲の最も秀でた魅力だろう。
そしてここに NAZARETH の最大の特徴 ダン・マッカファーティー(vo) のダミ声が加わる。
個性が強いので好き嫌いは分かれるだろうが、やはりこのボーカルがないと NAZARETH にはならない。
GUNS 'N' ROSES の アクセル・ローズ(vo) が影響を受けたと公言する ダン・マッカファーティー(vo) だが、わざわざ公言されなくとも、すぐに彼の影響下にあると判るほどに アクセル・ローズ(vo) のボーカル・スタイルは ダン・マッカファーティー(vo) と酷似している。
「Love Hurts」 では、その「影響」はイマイチ判りづらいかもしれないが、他の曲では顕著に表れているので興味のある方は聴いてみて欲しい。
冒頭でも触れたように、 NAZARETH はいかにも「B級」なグループだった。
ファンの方は気を悪くされるかもしれないが、楽曲の質にしてもインパクトにしてもサウンドにしても、例えば DEEP PURPLE や LED ZEPPELIN あたりとは明らかに差があった。
一言でいえば、「洗練されていない」のである。
ところが、そのB級臭さを好む人は意外に多い。
A級グループの完成された作品や演奏技術よりも、薄い膜に覆われたようなこもったサウンドと危なっかしい曲進行などに、妙に惹かれてしまうのだろう。
「良し悪し」ではなく、「好き」になってしまうのである。
NAZARETH は多数の若者が惚れ惚れするようなバンドではなかったし、すなわち多くのフォロワーを産んだバンドでもなかったが、どこか無視できない異彩を放っていた。
土の匂いが香り立つようなリズム・ギターの音色、オリジナリティに富んだ ダン・マッカファーティー の声と歌唱法、そして聴き込めば聴き込むほど味の出てくる楽曲──。
NAZARETH は、紛うことなき英国ロックの典型的なB級グループだった。
無視するには、妙な魅力がありすぎた。
「Love Hurts」 は今でも時折、無性に聴きたくなる。
決して「完璧」といえる完成度ではないし、ロック史に残る作品でもないが、聴くたびに奇妙な安堵感を与えてくれる。
四半世紀以上前のイギリスで、魑魅魍魎の如くうごめいていたB級バンド達の残した楽曲の数々。
その氷山の一角である 「Love Hurts」 が、いまだ遠い異国の人間の心をいまだ捉えて放さないのである。
ここに70年代の英国の底の深さを想う。
これだからブリティッシュ・ロックはやめられない。