★ BLACK SABBATH ☆ S.R. vol.347' * Side-A-2 [BLACK SABBATH]
BLACK SABBATH ~ Heaven In Black
BLACK SABBATH ~ Feels Good To Me
(Amazon )
BLACK SABBATH『TYR』(1990)
見事に80年代サウンドと決別した作品
by おバカの国 寿 | 2010.10.02
1990年発表の 17作目。
アイオミ(g)、マーティン(vo)、パウエル(dr)、ジェフ(k) に加えて、新たに元コラシアム、ホワイトスネイクなどのニール・マレイ(b) を加えて制作された作品。
リズム隊が様々なグループを渡り歩いた大物の職人になったことで、更に安定した作品に仕上がっており、かつ更に重く重圧になった演奏は、前作辺りの産業ロック色を嫌った人にも十分以上にアピールすると思う。
① は、彼らにしては珍しいクリアなコーラスが導入された曲。
これぞメタルとでも叫びたくなるほど重いギターは彼らのイメージそのままだが、前作に顕著に見られた産業ロックを彼らなりに消化した今日的な作風の曲だと思う。
スネアの音が前作とはハッキリと変わっており、明確に 80年代のサウンドと切り替わっているのは見事の一言。
本作のプロデューサーの資質も高いのだろう。
② は、レインボーに肉迫するスピード・チューンでこれもなかなかの仕上がり。
マーティンのヴォーカルが一瞬ロニー・ジェイムス・ディオに聞こえるほどだ。
③ も、レインボーをメタルにしたかのような曲で、シンフォニック色を加味した重圧なサウンドは聞き応えあり。
おそらくサバスにとってマーティン時代は最も華のない部分だろうが、作品のクオリティ的には全く申し分が無い。
はっきり言ってしまえば、マンネリ、雑多なオジー時代末期と比べれば雲泥の差のクオリティを持っている。
本作で時折感じられるレインボー風味は、次作でのディオ/アピス復帰を示唆するものなのか?
by おバカの国 寿 | 2010.10.02
1990年発表の 17作目。
アイオミ(g)、マーティン(vo)、パウエル(dr)、ジェフ(k) に加えて、新たに元コラシアム、ホワイトスネイクなどのニール・マレイ(b) を加えて制作された作品。
リズム隊が様々なグループを渡り歩いた大物の職人になったことで、更に安定した作品に仕上がっており、かつ更に重く重圧になった演奏は、前作辺りの産業ロック色を嫌った人にも十分以上にアピールすると思う。
① は、彼らにしては珍しいクリアなコーラスが導入された曲。
これぞメタルとでも叫びたくなるほど重いギターは彼らのイメージそのままだが、前作に顕著に見られた産業ロックを彼らなりに消化した今日的な作風の曲だと思う。
スネアの音が前作とはハッキリと変わっており、明確に 80年代のサウンドと切り替わっているのは見事の一言。
本作のプロデューサーの資質も高いのだろう。
② は、レインボーに肉迫するスピード・チューンでこれもなかなかの仕上がり。
マーティンのヴォーカルが一瞬ロニー・ジェイムス・ディオに聞こえるほどだ。
③ も、レインボーをメタルにしたかのような曲で、シンフォニック色を加味した重圧なサウンドは聞き応えあり。
おそらくサバスにとってマーティン時代は最も華のない部分だろうが、作品のクオリティ的には全く申し分が無い。
はっきり言ってしまえば、マンネリ、雑多なオジー時代末期と比べれば雲泥の差のクオリティを持っている。
本作で時折感じられるレインボー風味は、次作でのディオ/アピス復帰を示唆するものなのか?
私に “音楽” を教えてくれた二人の “先生” は、「とにかく聴いてほしい」という姿勢を貫きました。
このバンドはああでこうで、このギタリストはこうで、このヴォーカルは・・・といった説明は一切なく、真っ白な状態で私の耳に届けてくれました。
そしてもっと良かったことは、あまりにも矢継ぎ早に膨大な数の曲が届けられたので、それを聴くのが精いっぱい。
気に入った曲があってもアルバムを買っているヒマがなかったし、そのバンドなりアーティストなりの詳細を知る余裕もなかったことです。
南佳孝の “スローなブギにしてくれ” が主題歌の映画(同タイトル)の原作者で、少年期をハワイで過ごした日系三世の片岡義男氏の『音楽風景』 -ロックというアメリカの出来事-という本の中に、こんな一節が書かれてあります。
ポピュラー・ソングか、ロックか。選択は、厳しかった。
ポピュラー・ソングをただ聞き流しただけに終わったのか。
それとも、ロックを、自分のなかに入れることができたか。
歌手の名や曲のタイトルなど、ひとつも記憶していなくても、いっこうにさしつかえはない。
小さなプラスティックのトランジスタ・ラジオでロックンロールの番組をかけっぱなしにしてなにかをやっていて、歌手も曲も覚えてはいないけれど、ある曲がかかったとき、片手をのばしてラジオの音量をあげたくなってほんとうにそうしたことが、一度もなかったのか。
ポピュラー・ソングをただ聞き流しただけに終わったのか。
それとも、ロックを、自分のなかに入れることができたか。
歌手の名や曲のタイトルなど、ひとつも記憶していなくても、いっこうにさしつかえはない。
小さなプラスティックのトランジスタ・ラジオでロックンロールの番組をかけっぱなしにしてなにかをやっていて、歌手も曲も覚えてはいないけれど、ある曲がかかったとき、片手をのばしてラジオの音量をあげたくなってほんとうにそうしたことが、一度もなかったのか。
私にはとても印象に残った文章でしたが、これを読んだ直ぐ後から、実際に、曲のタイトルくらいは分かりましたけれど(それすら書かれていないものもあった!)バンド名や余計な知識が全くない、ハダカの曲を、耳に、そして心に、聴き続けることになったことは、私にとって何よりも宝物でした。
たとえば、オジー・オズボーンのブラック・サバスでファンになった人は、ヴォーカルがロニー・ジェイムス・ディオに変わった時、何か物足りなくなって、ブラック・サバスからオジー・オズボーン・バンドのファンになってしまったかも知れない。
あるいは、オジー・オズボーンやロニー・ジェイムス・ディオを聴き込んだファンは、いくらトニー・アイオミのソロ・プロジェクトだと言っても、トニー・マーティンのブラック・サバスには馴染めなかったかも知れない。
それが私は、そういった系列も年代も何もかも全く無い、まっさらな「Heaven In Black」と、それに続く「Feels Good To Me」という曲を聴かせてもらったのです。
私は元々、「バンド」というものは「バンド」であって、その時に、そのメンバーがあって、その音が出た、と思っていますから、いちいちメンバーの名前を覚え・・・られませんwww
それが逆に、ハダカの曲を素直に耳に入れられるようになっているのですが、そういった意味で、なるべくバンドや曲については書きたくないのですけれども、この BLACK SABBATH の『TYR』のレヴューの中に、これはいいなあと思ったものがあったので、転載させて頂きました。
STORM SERIES ―もくじ―
(psycho-country.blog.ss-blog.jp/2021-02-28 )
S.R. vol.347' ☆ Side-A
(psycho-country.blog.ss-blog.jp/2015-04-07-4 )
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S.R. vol.347' ☆ Side-A
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